針山地獄からこんにちは

着物縫ってます。宇宙行って無重力ファッションショーしたいです。

なんかすごい悪口

 坂口安吾が「堕落論」の中で舞妓さんのことをボロクソに言っています。

 

 僕は舞妓の半分以上を見たわけだったが、これぐらい馬鹿らしい存在はめったにない。特別の教養を仕込まれているのかと思っていたら、そんなものは微塵もなく、踊りも中途半端だし、ターキーとオリエの話ぐらいしか知らないのだ。それなら、愛玩用の無邪気な色気があるのかというとコマッチャクレているばかりで、清潔な色気などは全くなかった。元々、愛玩用につくりあげられた存在に極っているが、子供を条件にして子供の美徳がないのである。羞恥がなければ、子供はゼロだ。子供にして子供にあらざる以上、大小を兼ねた中間的な色っぽさが有るかというと、それもない。

 

 舞妓さんに知り合いはいないので、本当のところはどうなのか知りませんが、よくもまあこんな完膚なきまでに叩きのめすような文章を書けるものだと感心しました。よっぽど気に入らなかったのでしょう。

 坂口安吾ではありませんが、ときどきそんなに他人のことを悪しざまに言えるなんてもはや一種の才能だなと、もはや感動すら覚えるような悪口を並べ立てる方というのがいらっしゃいます。私も人に腹を立てることは少なくありませんし、嫌いな人もいます。これまでの人生で悪口を言ったことも多々ありますが、私はそれほど悪口の才能というのは持ち合わせていないようです。悪口って、いざ言おうとするとなかなか難しいのです。悪口の達人というのは実によく他人のことを見ています。そして鋭い観察眼と、如何に相手がろくでもない存在かというのを的確に表現するための語彙とを持ち合わせているものです。寺山修司は、詩人にとって言葉は凶器になることも出来る、言葉をジャックナイフのようにひらめかせて、人の胸の中をぐさりと一突きするくらいは朝めし前でなければならないなと思ったと言っています。悪口の達人というのは詩人なのかもしれません。

 そんな詩的な才能を、もっと別のことに使えばいいのに、なんて世間でよく言われるような野暮なことはいいません。自分の才能をどう使うかはその人の勝手です。自分が悪口に特化した詩人のターゲットにならないことを祈るばかりです。くわばら、くわばら。

 

糸之舞(しのぶ)

お読み頂きありがとうございます。 ランキングに参加しています。クリックで応援して頂けると嬉しいです。 にほんブログ村 ファッションブログへ
にほんブログ村