針山地獄からこんにちは

着物縫ってます。宇宙行って無重力ファッションショーしたいです。

一生ものの着物

 小学校の時に着ていた浴衣を、不意に着たい衝動にかられたので着てみました。

 

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 けっこうひどいことになりました。キティちゃんが私には似合わない。キティちゃんといえば、ヤンキーの方がよくキティちゃんのサンダルを履いていますね。どうもヤンキーの方というのはキティちゃんがお好きなようにお見受けします。私もヤンキーの方にならって、いっそ金髪にしてみようかしら。そうしたら似合っているとは言えないまでも、力技で着こなした感じになるかもしれません。とはいえ私が金髪にするとキャバ嬢にしか見えないので、いろいろと困ったことになりますけど。とにかくこの浴衣で表は歩けないので部屋のなかでこっそりと楽しみます。

 子どものころに着ていたものを、大人になってから着ようとするとろくなことにならないのが世の常ですね。だから人に譲ったり売ったり雑巾やおしめにしたりしたものですが、ところがどっこい、生まれてから死ぬまで同じものを着続けられる仕立て方というのがございます。昔は布が貴重だったとはいえ、執念すら感じられる方法なのです。

 どういうものかと申しますと、まず赤ちゃんのおくるみを一反の布から作ります。このとき鋏はいっさい入れずに、長いままの布を折りたたんでおくるみの形をつくるようにして縫います。やがて成長するとおくるみをほどいて、今度は子供用の振袖に仕立てます。そして大人になったら袖を切って短くし、切った分の布を身頃の帯で隠れる胴の部分に足します。そうすると丈が伸びますので、大人用の着物として難なく着られるというわけです。着物は洋服と違って曲線に裁つことをしないので、ほどけば四角い布に戻ります。その布を、改めて裁ちを入れたり配置を換えたりして縫い直せば、体に合わせて生涯着ていくことができます。けれど手間もかかりますし、布の組合せはまるで難解なパズルに挑むようです。まさに布を無駄にしないための執念のなせる業なのです。本当によく考えたなと感動してしまいます。昔の人はすごい。今の人はこんなことはやらないし、やろうと思ってもそうそうできません。

 七五三の時の着物を仕立て直してお召しになっているのは見かけたことがありますが、さすがにおくるみから同じ布を使っていらっしゃる方はまだお目にかかったことはありません。鋏をいれていないおくるみも、話にきいただけで実物を見たことはないのです。いつか仕立ててみたいのですけれど、今持っている本にも縫い方が載っていないので調べるか教えてくれる先生を見つけるかしないといけないのですが、これがなかなか大変なのです。こうやって先人の知恵というのは失われていくのでしょうね。失われる前にどこかでなんとか技術を習得したいものです。

 ちなみに、着物はほどくと染め直すことができます。それを見越して最初おくるみは白生地で仕立て、成長すると子どもらしい明るい色に染め、大人になると落ち着いた色に染め直すというふうに年齢に合わせて色を変えていくのです。染め直しまでして一枚の着物を大事に着ていたのですね。私は着物は染められませんが、髪くらいなら染められます。キティちゃんの浴衣を大事に着るために、やっぱり金髪にしようかしら。

 

糸之舞(しのぶ)

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