針山地獄からこんにちは

着物縫ってます。宇宙行って無重力ファッションショーしたいです。

衣替えと箪笥の肥やし

 今日から7月ですね。絽の着物の季節です。夏物を引っ張りだしてきて、ウールの単衣を仕舞います。着物の衣替えというのは実に楽しい作業です。洋服だとこうはいきません。

 私は中原淳一が好きでちょこちょこ古い本を買い集めて読んでいるのですが、着物についてこんなことを言っています。

 

好きで買ったきものが一枚一枚ふえていって、いつの間にか箪笥の中にたまっていく。「さあ今度はどの着物にどの帯を組み合わせてみようか」と、もう三年も四年も前に作ったきものを全く新しい気持で楽しむ事が出来るのは和服だけのもっている喜びだ。洋服なら四年前に作ったアフターヌーンはとても晴々した気持では着られない。

 

 洋服の衣替えとなると、これ去年はまだ着ると思ってとっておいたけどなんか着たい気分になれないな、とかこれは今年の自分には似合わないな、などと考えてしまってあまり愉快な作業ではないのではないかしら。ですが着物だと帯や小物の組合せを考えながら楽しく衣替えをすることが出来ます。私は元来物を大切にするようなまめな性格ではないのですが、このときばかりはわくわくしながらきちんと着物をたたみなおして箪笥に入れるのです。

 「箪笥の肥やし」という言葉がよく使われますね。ですがこれは間違っているのだそうです。「箪笥の肥やし」ではなく「箪笥を肥やした」というのが正しい。箪笥を肥やす、それだけの財を成したということです。たまたま今着ておらず、箪笥に仕舞っているだけのことで、それは立派な財産です。引っ張り出して、ためしにちょっと鏡の前で羽織って帯をあててみるだけで晴々した気持ちにさせてくれる、尊い財産なのです。

 

糸之舞(しのぶ)

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