針山地獄からこんにちは

着物縫ってます。宇宙行って無重力ファッションショーしたいです。

堂々と大根をもらおう

 私は以前浅草に住んでいた時に失業してしばらく貧乏していたのですけれど、非常にありがたいお寺がありました。待乳山聖天です。大根が無料でいただけるのです。前日にお供えされた大根を、神様のお下がりとして誰でも持って帰ることができます。

 大根をまるまる一本食べれば一日はおなかが持ちます。それに神様のお下がりなのでなんだかありがたい気もします。スピリチュアルが流行ってからはやたらと寺社仏閣はお願い事をするところではなく、日々生かされている感謝をするところですなんて言われるようになりましたが、それまで感謝したことはありませんでした。私が神仏に感謝したのは大根をいただいた時くらいです。

 そんなまともに感謝をしたこともない恩知らずな私でも、人並みの恥じらいくらいはあるのです。一応うら若い女性だったわけで、ただでもらった大根持って歩くのはどうなんだろうという抵抗はひそかにありました。

 しかし背に腹はかえられずいざもらいに行こうと思ったとき、せめてなりくらいはきちんとしようと思い気合を入れて着物を着ました。そうすると不思議と貧乏人には見えないものですから、堂々と大根をもらうことができました。どこかの信心深いおじょうさんに見えるかもしれないというずうずうしい思い込みでもって、その日の糧を手にいたしました。もし私がお金がないからといって本当にみすぼらしい格好をしていたらこんなに堂々とはできなかったでしょう。装いと気合って大切だということが身に沁みました。

 もちろん仕事が決まってからきちんとお賽銭も大根のお供えも致しました。いただきっぱなしはよくありません。神仏を信じる信じない以前に人として当然です。

 

糸之舞(しのぶ)

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